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用語解説2025/06/21キーワード: セット販売、プライシング

「バンドル販売」がもたらす新たな価値創造と価格戦略の可能性

「バンドル販売」がもたらす新たな価値創造と価格戦略の可能性

はじめに: バンドル販売とは何か?


バンドル販売とは、複数の商品やサービスを1つのセットとして提供し、個別に購入する場合よりも割安な価格で販売する手法です。消費者にとってはお得感があり、企業にとっては販売単価や数量を増やせる可能性があるという、双方にメリットのある価格戦略です。

バンドル販売は、大きく以下の3つに分類できます:

このように分類されるバンドル戦略は、消費者行動の理解と、商品の関係性を深く洞察することで、非常に強力なマーケティングツールとなり得ます。

バンドル販売戦略が重要な理由


価格に対する消費者の敏感さが高まるなか、バンドル販売は“お得感”を演出するうえで非常に有効な手法です。特に物価高や賃上げの影響が限定的な消費環境においては、単純な値下げよりも「得をした」と感じさせる心理効果を持つバンドル販売の方が、ブランド毀損のリスクも小さく、継続的に収益性を維持しやすいというメリットがあります。

加えて、バンドル販売は在庫処分や新商品との相乗販売促進にも使われる戦術です。たとえば、売れ残り商品を人気商品とセットで販売することで全体の在庫回転率を高めたり、新製品への導線として既存人気商品とのバンドルを提供することで、初期トライアルを促すことができます。

「価値再構築」としてのバンドル戦略


バンドル販売は単なる売上向上施策ではなく、“価値の再構築”として捉えるべきだと考えます。つまり、個々の商品やサービスでは表現できなかった「新たな便益(ベネフィット)」をセットにすることで、価格以上の価値を顧客に提供できるという視点です。

たとえば、学習塾で「定期テスト対策+進路相談+家庭学習サポート」をセットにしたコースを販売することで、「成績アップ」という一貫した目的に向けた価値提案となります。これは単なる価格割引ではなく、顧客が“成果を得るための設計”としてのバンドルです。

また、企業間取引(BtoB)においても、業務用ソフトウェアとサポートサービスをバンドルすることで「導入効果最大化」という価値が提供されるようになります。

デジタル時代におけるバンドル戦略の進化


AIとデータ分析の進展により、バンドル戦略はさらにパーソナライズされつつあります。消費者の購買履歴や嗜好をもとに、「この人にとって価値の高い組み合わせ」を自動的に提案できるようになってきています。

NetflixやSpotifyが提供するサブスクリプションモデルでは、コンテンツの組み合わせ(見放題/聴き放題)という形のバンドルが成立していますし、ECサイトでも「この商品と一緒に買われている商品」として動的なバンドルが提示されます。これにより、顧客体験の向上と同時に、クロスセルによる客単価の増加が実現しています。

バンドル販売導入の課題と検討ポイント


一方で、バンドル戦略には注意点もあります。まず、セット販売が強制的に見えると、消費者に「不自由さ」や「押し付け感」を与え、逆に離脱を招く可能性があります。加えて、割引しすぎると利益率が下がり、「バラ売りの方が得だったのでは」といった心理的抵抗感が生じることもあります。

このため、バンドル設計には明確なロジックが必要です。商品同士の補完性、市場ニーズ、価格感度、他社動向、提供タイミングなどを総合的に踏まえて、戦略的に構築することが求められます。

MyStoryが提供する価格設計ソリューション


バンドル戦略の成功には、データにもとづく緻密な設計と価格戦略の知見が不可欠です。

MyStoryでは、価格設計・プライシングに関する総合コンサルティングサービス「Price Decisioning」を提供しています。商品特性や顧客インサイトに基づいたバンドル戦略の立案、A/Bテスト設計、売上シミュレーション、価格最適化の支援など、バンドル販売を含めた包括的な価格ソリューションを展開しています。

【参考】「Price Decisioning」の詳細はこちら
Price Decisioning_ご紹介資料

バンドル販売の導入や見直しをご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

執筆者
作田
株式会社MyStory マーケティングチーム コミュニケーションG
MyStoryのコーポレートサイトや広報・PR関連のコンテンツの企画を担当
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